中学生のDaily Workの一つに計算トライアルがあります。
その日に取り組む問題に目を通し、解くための知識(計算ルール)を書き出し、タイマーで時間を計りながら計算していきます。
左側が計算ルールで、右側が計算の跡です。
累乗を一つずつばらして確実に計算をしていると思いきや、除法の部分で逆数にし忘れるというミスを2ヶ所程してしまいました。
同じミスをした訳を分析してもらうと、どうやら時間のプレッシャーにより集中力が散漫になっていたそう。
互いに刺激し合えるように各生徒の記録を貼り出しているのですが、
それを見て、他の生徒の記録が自分よりも早い事に焦りを感じたみたいです。
その日の日記には「自分は周りよりも遅いので、もっと速く出来るように頑張りたい」と書いていました。
自分の弱みを認めた上で、それを超えようとする向上心はとても大切で、常に意識していってほしいと思っています。
ただ、だからと言って計算の確実さをおざなりにしてはなりません。
毎日計算をするという習慣がなく、計算トライアルを始めて4回目の生徒さんです。
スピードを上げるためだとはいえ、この生徒の持ち味でもある素直で丁寧な計算をないがしろにしないでほしいのです。
途中計算を省いて時間が速まっても、答えを間違えてしまっては点は取れません。
書くことと描くことは似ています。
イラストレーターが短時間で正確な絵が描けるのは何故でしょう。
一つには才能があると思いますが、そんなものをあてにして描いている人は一握りか、おそらくいません。
それに至るには、まず正確なデッサンを確立していきます。
最初の内は速く描くことなんて意識していません。正しく描くことに重きを置きます。
何故なら、脳や目や手に対象の正確さが染みついていないため、
最初から速く描こうとするとパースが崩れてしまうからです。
それを経て慣れが出たら30秒ドローイングなどで少しずつ作業時間を縮めていきます。
あとは何枚、何十枚、何百枚と積み重ねることで短時間で正確な絵が描けるのです。
計算も同様だと考えます。
最初から速く正確な計算ができる人などいないでしょう。
まずは沢山の計算問題に触れ、脳や目や手を養い、正確な計算を身に付けます。
ある程度正確さが出てきたところで、時間を短くしていけば良いのです。
不安定のまま焦って早めるから、肝心なところでミスが出るのだと思います。
速さは大切ですが、それよりも何よりも、正しさが重要でしょう。
テストの点に繋がるのは、速さより正確さなのです。
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