時制実践

ある高校生の学習から

 

英語が苦手な生徒の特徴には共通点があります。

①言語を理論的に把握していない

②時制(動詞)の使い方が曖昧

③単語の深い意味を知らない

④しゃべらない

です。

 

 ①言語を理論的に把握していない

英語はなかなか定型的な言語です。究極的には5つの文の型に収めることができるくらいの定型的な言語です。それを知り、その型で見分けることで、英文の理解が圧倒的に深まります。

5文型は知っているけれど、意識的に品詞分解するということをしていないとこの力は伸びません。

つまり5文型の理論を知ることで、無意識レベルでも品詞分解できるように訓練するとよいです。

 

②時制(動詞)の使い方が曖昧

言語が必要な理由は、コミュニケーションするためであり、状況を説明するためです。

そのためには「誰が、なにした」という最小限の文(主語+述語、SV~)にならなくてはいけなく、

その中でも「動詞(述語)」はまず間違いなく、文にはなくてはならない品詞です。

その動詞が表すものが「時制」です。

いつのタイミングでしたのか?を表す動詞の使い方と使い場面・状況を分析し、ちょっと想像してみる。

そのとき時系列的に、いつ何が起きたのかを「時間の線」にして表してみると、案外よくわかります。

上の写真は、そんな図です。

この生徒は、動詞の形は知っていたのですが、どのタイミング(時制)でそれらを使うのかが曖昧でした。

ですが、時間の線の図を書くことで、着実に正解にたどり着くことができるようになりました。

ほんの少しの工夫で、曖昧さをなくすことで、英語へのアプローチは変わるんですね。


単語の深い意味を知らない

なぜこんなにたくさんの単語があるのか?

それはもちろん、ある出来事をや状態を表すのに必要だからあるんですね。これは日本語も同じです。

ということは、単語一つひとつには「その単語しか持っていない意味」があるんです。

もちろん同じ意味でも違う言い方をするものは存在していますけどね…

それで単語一つひとつが持っている深い意味を知ることで、同じような表現でも違う訳になる意味がちょっとわかります。

例えば………長くなるので、またの機会に(⌒-⌒; )


④しゃべらない

単語を覚えたり、英文を覚えたりするときに、ほとんどの人が「目だけ」で覚えようとしています。

しかし言語は、文字と「音」でできています。もちろん意味もですけど・・・。

文字情報だけでは足りないんですね。それに言葉は「音」から覚えるもの。

赤ちゃんがいきなり文字を読んで「まま」とか言わないですよね?

ですので、単語や英文を覚えるときは「音を聞く」そして「しゃべる」ことが大事です。

聞いた音をそのまま口から音を出す。音読です。

カラオケも聞いているだけではうまくなりません。声を出すんです。


以上、英語に限らず、言語習得には時間がかかります。

カンタンに、ラクに、というのはスタートとしては有りですが、しかし身につくには「下地」が必要です。

将来、英語を使う機会が増える(であろう)将来の大人の皆さんは、今のうちからちゃんとした下地を作ってほしいと思います。


日本人は英語ができないのは勉強方法に問題があるとはよく言われることですが、おそらくその通りです。しかし、今の学習が全く無意味なものというわけではありません。

今の学習はあくまでも英語を使えるようになる(話せて、読めて、聞けて、書ける)下地作りの学習です。

あとは個人の状況(仕事や学問など)に応じて、学習内容を増やしていけばいいのです。

ということで、英語学習の方法にちょっとだけ変化をつけていきましょう。