さて、昨日お話しした「アクティブ・ラーニング」についての続きです。
今回は、それに対する感想のようなものです。
アクティブ・ラーニングの基本姿勢は「主体性をもって学修すること」なんですが、
だけどこれって…
そんなに画期的な学習方法ってわけではないように思いませんか。
おそらくですが「どこの家庭でも見られる景色」のように思いますし、
友達同士で遊んでいるときにでも見られる光景にように思います。
何かわからないことや知らないことが出てきたときに、
「これ何?」
「これってなんだろ?」
と思うことは、いつでもありますし、
「ちょっと調べてみる」
「誰かに聞いてみよう」
と思うことも、いつでもあります。
今ではインターネットなどの情報網がすぐそこにあり、
調べようとしたらいくらでも情報を手にすることができる。
オランダかどこか忘れましたが、
「今の首相とか、国王の名前は知らないけれど、それを調べる方法は知っている」
という子が圧倒的に多いそうです。
まぁ…知らなくてもいいことを、知らなきゃいけなくなったときに、
調べる方法を知っているなら、それはそれでいいのかもしれません。
とするならば…
あえて斜に構えたモノの見方をするならば、
今の学校の授業のやり方(先生が一方的に生徒に何かを伝え、生徒はその内容をノートに取り、覚える)のほうが”異質”なんではないかなと思います。
ああいう勉強(させる)方法は、とても「ラク」というか、便利なんです。
とりあえず「授業」をやっておけば、理解している、していないは関係ないですからね。
授業をした、という事実だけがあれば、それでよいのですから、便利なモノです。
授業をした事実の後は、「テスト」という逃れられないイベントをすることで、理解度を測る。
その「過程」については…家庭学習(塾を含めて)でがんばりましょう!です。
もちろんそれだけではないでしょうが、ぶっちゃけるとそんな感じです。
これは僕が小学生から変わっていませんし、
おそらく明治時代のころから同じです。
いつも思うのですが、
教育の前線こそ、最新の技術と理論を取り入れるべきなんです。
将来を担う「子ども達」が「社会人・大人」になるにつれて、
最新のテクノロジーと理論を「知っている」ことは、
その時代を作り上げる「将来の大人」である「今の子ども」には必修のように思います。
学ぶことがもたらすこと
学ぶことは成長につながり、豊かさにつながると思っています。
言葉の成長や豊かさ
心の成長や豊かさ
経済的な成長や豊かさ
人間関係の成長や豊かさ
自分という人間の成長や豊かさ
そういった成長や豊かさを得るのが「学ぶ」という行動であり、
お互いに伸び合う、学び合うことで「人とのつながり」が生まれ、強固になるのだと思います。
こうした関係を築くために「自らを育てていく方法を教えること」を教育といい、
この関係を「友情」とか「愛情」と呼ぶのではないでしょうか。
しかし教育の方法を間違えると、この関係がとても希薄なものになってしまいます。
教育は「その人物を創り上げる土台」であり、
教育には「人の情け(感情・感謝)」が間違いなく必要です。
理論だけでは、人は動きません。
なぜなら人が動くのは「感情に触れたとき」であり、「何かを強く欲求」したときです。
つまり「心が動いたとき」に、人は動くことができるのです。
「知りたい、知り尽くしたい…」
そんな知的欲求が、学ぶことにつながっていくと思います。
…なんて小難しいことを言ってますが、
単純に、「○○したいなぁ」と思ったら、
あとはやってみたらいいってことですね。
そしたら、結果が出るから、
その結果に対してまたどんなふうにしていくかを考えるってことの繰り返しってことです。
学ぶことがもたらすことは、
知識や知恵を得たり、応用力や読解力を得ることだけじゃなく、
「人として生きている自分」をより強く感じることではないかと思っています。
なぜ僕(わたし)は、人として生まれてきたのだろう…
その理由を知ることが、究極の学ぶ目的、ではないかと思います。
多くのものを見聞し、
多くのことを体験し、
多くの人と議論し、
多くのことを思索し、
多くの感情に触れ、
多くの出会いの縁に導かれるようにして、
ようやく辿り着く(かもしれない)目的の答え
主体的な学び、主体的な生、主体的な思考、主体的な行動…
これらがなければ、なかなか辿り着くものではないかもしれません。
アクティブ・ラーニングという名称を付けることで、
本来の学びの姿が今の学校でも見られるのだとしたら、
それはとても画期的なことになるかもしれません。
ちなみにですが…
幕末に活躍した多くの先人達は、
皆一応に「議論好き」と「旅好き」が多かったようです。
吉田松陰先生の松下村塾でも
緒方洪庵先生の適々斎塾でも
やはり「議論好き」が多く、
生徒達は「遠くから来た人たち」が多かったようです。
まさに「アクティブ・ラーニング」そのものですね。
それではまた、別の機会にお会いしましょう。
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