7月から始めている、65歳以上の方対象とした「介護予防サポーター」事業の中で、
「脳トレ」という項目があります。
その名の通り、脳をトレーニングするのですが、
考えてみたら「脳トレ」と普通に日本語と英語が混じり合ったこういう用語を
普通に理解できるのだから、日本人の言語能力はやっぱりすごいなぁと思います。
これを英語にすると「Brain Training」とでもなるのでしょうか…。
もしアメリカあたりで、この「脳トレ」と同じように表すと…
「Brain Kunren(訓練)」略して「Brai Kun(ブレイクン)」とでもなりますかね。
なんだか砕けそうな…壊れそうなネーミングです。
さて、そんなことはさておき、この「脳トレ」ですが、
介護やリハビリの世界では「文字追い」と呼ばれているようです。
もうちょっとかっこいいネーミングだったような気がしましたが、忘れました。
それで、どうやってやるかというと…
すべてひらがなで書かれた文(意味のある文でも、ランダムでもいいらしいです)から
ひらがなの「あいうえお」だけを抜き出し(○で囲む)
その正確さと抜き出しそこねを測るという訓練です。
聞くだけだと「カンタンじゃん」と思うのですが、
これが意外とですね「抜き出しそこね」があるんです。
先日高齢者の方6人と私ともう一人の担当(僕より若いです)でやったのですが…
なかなかどうして、みんな「抜き出した数」がちがうんです(ー ー;)
10個代の方もいれば、20個代、30個代もいて…
さらに「正解数」もわからないので、なぜだかすごく盛り上がりました(笑)
結局そのときは「40個」見つかったのですが…
なんと後から見ると「41個」だったという…
見えているようで見えていない。
もうこれくらいだろう的思い込みもあり、
脳の衰え…(とは言いたくない!)というよりも、
脳の「無意識的判断」が強いのかなと思います。
脳というのは、非常に精密なのですが、
精密ゆえに「案外適当」なこともあり、
実は大概のことを「無意識」でしてしまっています。
しゃべりながら運転していても操作を誤らない(ポケモンGoしながらはダメです)
テレビをみながらご飯を食べる
明日のことを考えながらご飯の準備をする
などなど
こういう「〜しながら○○する」というとき、
「○○する」ほうが、かえって無意識にやっていることが多いようです。
これが脳の精密さであり、適当さでもあるのです。
全部が全部意識すると、脳のメモリーはすぐにいっぱいになってしまって、
パソコンでいう「フリーズ」状態になってしまいます。
だから適当なところは適当に…というふうになるらしいです。
そして脳内の「復元能力」というのか「想像能力」というのか、
「見えていないにもかかわらず、見えているように見える」という能力を
脳は持っているんですね。
人の目には「死角」があるのですが、
その「死角」をつないで、想像して、「見えている」としているんです。
これってすごいですよね。
だから…というわけではないのですが、
生徒たちでよく「こんなふうに書いた気がないのに…」とか
「なんでこういうふうに書いたのはわからない…」という
いわゆる「凡ミス」というものがあります。
これはおそらく「脳の無意識的行動」の故…かもしれません。
本人にも分からないつまらないミス。
実はこれが「脳のせい」だとしたら…
なかなか叱れないかもしれませんね。
なぜなら「自分の脳にだまされている」のだから、
これはもう仕方がないかもしれません(⌒-⌒; )
とはいえ…
もう一度見直せば(やり直せば)気がつくのが「凡ミス」ってやつです。
間違ってないはずという思い込みがなければ気がつくのが「凡ミス」です。
そして…
テストではこの「凡ミス」が起こりやすいのですが、
だからこそ「見直し」は大切なんです。
だけどなにより大事なことは…
無意識でも凡ミスをしないくらいに、
普段の学習の中で「学習量」と「学習の質」の高い学習をしていくことです。
体に叩き込むのが運動なら、
頭に叩き込むのが勉強です。
どちらも「鍛える」ことには変わりありません。
この「鍛える」というのに
老若男女の別はありません。
前述の「文字追い」をしていた時の高齢者の方たちの様子ですが、
とても楽しそうにやっていました。
やっぱり「正解」にたどり着くと、誰でも嬉しいのですね。
それも簡単じゃなく「苦労して」たどり着いたのなら尚更です。
やっぱりですが…
一所懸命やって出た結果は、
良ければ嬉しいし、
悪ければ悔しい。
そういう気持ちこそ「脳トレ」なのではないかと思います。
もしよろしければみなさんも「文字追い」やってみませんか?
なかなか楽しいですよ(笑)
あなたの人生に豊かな学びを…
山田でした
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